先輩看護師の声

リカバリーの意識を持ち、
患者さんの希望に沿って支援することを心がけています。
菅井 玲央(看護師 / H29入職)


私は救急急性期病棟に所属しています。精神病症状の亢進、気分の変調など病状が活発な状態の方が多く入院してきます。健康的な生活が送りたくても病状によって本来の性格や趣味嗜好が阻害されていることも多く、患者さんの内面やニーズを把握するためにも、まずは関係構築を大切にしています。また、患者さんだけでなく家族へのサポートも大切に、面会時には労いの声かけやフォローを行なっています。
患者さんのリカバリーや希望を叶えるためには、薬剤治療だけでは達成できません。医療者の価値観を押しつけず、患者さんの希望を尊重し、自立性を引き出して自己決定を支えることによって、治療の基盤ができると思います。入院時から退院後の生活を見据えた支援は、人それぞれで課題も多く大変ですが、患者さんの回復に貢献できた実感、自身も成長できた実感が持てる、とてもやりがいのある仕事です。
「その人らしさ」を支え、「自分らしく」を見つけられる職場です。
湯浅 智子(看護師 / H21入職)


私はこの病院に就職してから結婚、出産を経て3人の子育てをしながら現在病棟勤務をしています。就職した当時からすると、住む場所も生活スタイルも大きく変わりましたが、こうして働き続けられているのは、その時々で先輩方や一緒に働くスタッフの方々の支えがあったからだと感謝しています。
特に育児休暇からの復帰後には、子供の体調不良で急な休みや早退が必要になることも多く、心苦しく思う時があります。しかし、そんなときいつも「仕事の代わりをする人はいるけど、お母さんはあなたしかいないでしょ。」、「家庭あっての仕事だから、お子さんを大事にしてあげて。」など、温かい励ましとサポートをしてくれるスタッフの方々に支えられてきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、子どもが3歳になるまでの間、1時間早く終業できる育児時間制度を積極的に使っていくことを先輩が勧めてくださり、その制度も活用させていただきとても助かっています。これから育児をしながらこの病院で働く人にとって働きやすい職場場環境、風土をしっかりと受け継いでいきたいと思っています。
そんな私が今感じている精神科看護の魅力は、患者さんのその人らしさを応援できるところです。身体科では、身体疾患にフォーカスを当てて関わりを持っていきますが、精神科ではその人自身に関わっていきます。そして、精神科の症状は一律に数字で測ることや、見える形にすることが出来ないことも多く、関わりにも成果があるようでないような奥深い世界だと感じています。そんな中で患者さんに起こっていることを多角的に捉えるためにも、自分ひとりではなく、看護スタッフやコメディカルスタッフともカンファレンスや相談を繰り返します。患者さんにとってより良いケアを、またその患者さんらしく生活していくためのケアを、患者さんも一緒に模索して患者さんと一緒に取り組みます。その治療プロセスには、いろいろな意味で私自身にもたくさんの学びや自分らしく生きていくためのヒント、子育てのヒントもたくさん与えて貰ってきたように感じています。
家庭と仕事の両立は、大変なこともあります。でも、そんな魅力とともに、支えてくれているスタッフの方々、また同じように子育てをしながら頑張っているスタッフに元気をもらいながら頑張れている今現在です。
患者さんのありのままを受け止める。
そっと手を添えられる看護を心がけています。
内藤 学(看護師 / H25入職)


私が精神科という領域に興味を持ったのは、看護学生時代のことです。ここ岡山県精神科医療センターより看護スタッフの方が授業に来てくださっていました。当時担当だった先生の授業は、実体験をありのままに伝えるという形。そこから見える疾患と人との関係がとても興味深く、精神科看護の奥深さにときめいたことを覚えています。今でも心の残っている先生の言葉が、「ただそこにいることの大切さ」です。入職してからその言葉の意味するものを時折考えることがあります。多くの患者さんは病気にではなく、病気から生まれた「生きにくさ」に苦しんでおられます。個々に異なる回復を支えることは困難も多いですが、患者さんの笑顔に私自身も支えられながら、そっと手を添えられる場所にいられることを意識し日々看護を行っています。