副作用マネジメント
クロザピンには様々な副作用があります。ただし、副作用の好発時期や、頻度、用量依存性、重症度など、いくつかの観点から整理して対処していくことで安全に使用できると考えています。
好発時期・頻度・用量依存性・重症度の観点から見た副作用マネジメント
開始後~3か月 高頻度
- 流涎、傾眠、鎮静(40~60%)
- 警鐘であるが頻度が多い。耐性ができ軽快。
- 漸増速度を緩めること、投与前に患者と共有しておくことが重要。
- 微熱(50%)
- 良性の発熱が多いが、無顆粒球症、心筋炎、漿膜炎、感染症を否定する。
用量依存性
- イオクローヌス(20%)けいれん(≦5%)意識障害
- 一般にClozapineは用量依存症にけいれん閾値の低下をもたらす。脳波異常は50%。
- ミオクローヌスは、その後の全般性けいれん発作の予測因子。
- Clozapineの減薬、バルプロ酸、ラモトリギンなどの併用が推奨されている。
まれだが重篤
- 心筋炎(0.2%、相対リスク1,000~2,000倍)
- 3週間以内(TnT2倍以上、心エコーにて全周性のST上昇)
- 心筋症(0.1%、相対リスク5倍)
- QT延長症候群
- 無顆粒球症(1%)、白血球減少症(3%)
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